【短編】『愛してる』なんて言わないで





「千緩?居るんだったら出てよ」



「あっ、ごめん…」


「どうかした?」



「ううん?何もないよ」



「何か変だけど…」



それ以上優しくしないで…


別れられなくなる…



「大丈夫だよ」



「そぉ?なら良いけど」



「うん」



早く別れを言わなきゃ……


でも、体が言う事を聞かない…



「千緩?やっぱり変だよ?」



お願いだから、それ以上聞かないで。


知らない間に涙が流れていた。



ソファに座ってるあたしを彼がそっと抱きしめて、そっと小さな声で囁いた。





「俺がずっとそばにいるよ」