全部、君だった。



「はい」


桐山先輩が顔をあげペンを差し出した。
私の手のひらには先輩の携帯のアドレスが書かれていた。



「あ、ありがとうございます!」


「…俺、あんまメールとかせんけどね」


先輩からガツンとキツい一発が届いた。



「いえ…いいです、そんなの…」


本当はちょっとショックだけど(笑)


「桐ちゃーん!」


その時、宅間先輩と木下先輩がやってきた。


「ありゃ、マネさん今日休みなんじゃないの?」


宅間先輩が言う。


「あ、はい…。もう帰ります。
それじゃぁ…お疲れ様です」

ぺこっと頭を下げ足早に加奈子のもとへ戻った。



ほんの数秒手と手が触れていただけなのに…







まだ心臓がドキドキしてる。






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