全部、君だった。



「そ、そんな目で見ないでよぉ」


しかし、加奈子はなおも鋭い目付きで睨んでくる。


ぐぅの音も出ない程だ。




「…ダメ!私が聞くって言ってんだから聞かなきゃ絶対許さないっ!!
聞かなかったら絶交!!!!」


「ええぇぇっっ!!!!!」


いきなり何を言い出すんだこの子は!


「いい?Xデーは明日!
明日は外練だし北グラウンドにいる時狙うよ!」


「ちょ、ちょっと加奈子!!」


言うだけ言って加奈子は教室を出て行った。



なんだろう、この絶対王政ぶりは………

これじゃあエリザベス女王もびっくりだよ!





まぁ実際、加奈子のこういう所には助けられることも多いのだけど。


私はまさに
"石橋を叩きすぎて割る"タイプの人間。

何につけても慎重になりすぎて好機を逃してしまうタイプだから、
加奈子に助けられることは多かった。



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