全部、君だった。



数日前、私はインフルエンザにかかってしまいしばらく学校を休んだ。


つねに流行を追っていたいというミーハー魂はこんな所にも出てしまう。


そしてその数日の間に加奈子が一歩前進したのだ!



朝、教室に入ると待ってました!と言わんばかりに加奈子が駆け寄ってきた。


「おはよっ、雪枝!もう大丈夫?」



心なしか表情がいきいきしているように思う。



「おはよう。大丈夫だよ。熱は3日前に下がってたし」



「そっか、良かった!
話したいことあるの!あのね……」



加奈子がぐっと顔を近付けて小声で話し始めた。




「宅間先輩とアド交換したっ!」



加奈子は私の耳元から離れ、ニコッと笑った。



「ほんと!?やったじゃんっ!!」


「うん!一昨日部活のあと思いきって交換してくださいって言ったんだ!」


「そっかそっかー!良かったね!メールした?」


「した!めっちゃ優しかったー!
彼女いるのにメールしても大丈夫ですか?って聞いたんだけど、アイツそういうの気にしてないからいいよって!
どうしよ〜嬉しすぎる!!」


「本当に良かったね。おめでとう!」


加奈子の幸せそうな顔を見て、私もなんだか幸せな気持ちになった。





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