弾かれたように早綺を見ると、早綺が真斗を見つめている。


「こうしてれば、暗いのなんて気にならないよ」


真斗を覗き込む早綺の瞳は優しくて、真斗は無条件に安心する。

暗いのなんてと、早綺は言った。
なんだかんだ言っても、真斗のことを見てくれているのだと気付いた。


「早綺が隣に居てくれたら、それでいいよ」


早綺が隣に居れば、暗い所も平気な気がする。

それは真斗の素直な言葉で、懇願のようなものでもある。

自分と共に歩んで欲しいという願い一一。