一体どこから沸いて出てきたんだと、訊きたくなるほど唐突に、且つ素早く部屋に侵入してきたものだから、驚きだ。
真斗の目の前の神嵜も目を見開いているあたり、驚いているようだった。
けれどそんなことお構いなしといった感じで真斗に詰め寄っていく。
暗いところが苦手だからあまり乗り気にはなれない、と言おうとした矢先に、早綺の期待に満ち溢れた声が飛んで来たのだ。
もうこれ以上何も言えなくなるではないか。
ある意味、それを見越してあのタイミングで乱入してきたのかも知れない。
見かけによらず、目敏いことを真斗は今日確信したのであった。
結局、早綺の無言の訴えにより、真斗は渋々お化け屋敷行きを了承したのであった。
その様子を見ていた神嵜は
「仲良しはええことやな」
などと、笑顔を零しながら呑気に呟いていたという。

