早稀。
どこだ?どこにいる?


何度も何度も反芻するが、依然として早稀と昴の姿は見つからない。


早稀の行きそうな場所を捜す。
が、真斗は早稀の行きそうな場所など全く検討がつかない。

主のことにもかかわらず、知らなさすぎる自分に腹がたった。



歩けば歩くほど。
それに比例するかのように、怒りが増す。

靴音が自然と大きくなる。


そしてある廊下にさしかかった時、男の声が聞こえた。

そして、良く知った女の声も。


一瞬で頭が冷える。

あの時真斗が無意識に向かっていたテラスからだった。