真斗の視線が早綺を熱くさせる。 けれど直ぐに真斗の視線と頬の手は外され、足音とドアの閉まる音が聞こえた。 出て行った…? そう思って目を開ければ飛び込んでくる天井。 窓から降り注ぐ朝日が眩しい。 目を細めながら身体を起こすと、先程まで真斗が居たとは思えないほどに静かな部屋があった。 嘘だと、自分の勘違いだと錯覚してしまう。 だが頬に残る確かな感触だけが嘘でないことを証明してくれる。 「なんで、そんなに辛そうなの?」 自ら頬に手を当てて、訊けなかった疑問を口にするが、虚しいだけだった。