脱走犬物語

見たことも無い、赤く高いタワーがそびえています。ライトアップされてとても綺麗です。その周りでは、ベンチに座る2組の若い男女の姿もあります。風は冷たく、脚はもうガチガチです。おなかは減っていなかったし、眠たくもなかったのだけど、ボクはなんだかとてつもなくくたびれていました。

もう、おうちへ帰ろう。

赤いタワーには1:11の文字が光っています。
もう、家を出てどれくらいたったのでしょう。
ボクは1:11の文字をスタートの合図に、少しずつ、少しずつ元来た道を引き返していきました。