「ただいま!!」
そう言って現われたけんちゃん。やっぱり太ってます。東京はおいしいもんがいっぱいあるのかな。玄関でボクはけんちゃんになでられました。本当は、一年ぶりだし、もうちょっと甘えたかったんだけど、人間だと90歳以上だし、ボクはシャイだからそんなに感情を表せません。でも、ぺロッと一回だけ、指のさきっちょを舐めてやったけどね。

「やせたな!チャ―ミー!!」

けんちゃんは、心配そうにそう言いました。僕の体重は1年ぐらい前から、少しずつ減っていました。ご飯はしっかり食べているのだけど、脚や胴回りがどんどん細くなっていきます。硬い食べ物も噛み切れないので、最近はママが小さく砕いて粉々にしたドックフードの中に、鳥のささみ肉の切れ端を入れてくれます。おいしいのだけど、食事はとってもアゴが疲れます。ボクは特に病気にかかっているわけではないですが、年のせいでしょうか。少しずつ、少しずつがカラダが細くなって、歩くのにも足がもたつくんです。