「じゃ、撮影入りまーす」



あたしの心配をよそに



撮影はどんどん進む



「はい…」




間の抜けたような返事しか…




出来なかった




「ところで春野さんは


恋とかしてるのかな?」



不安を感じとったのか



亀井さんはあたしの


顔を見て言って来た



「いえ…」




「そうか。


歌手だもんな

そういう時は漫画とかの

主人公になったつもりで

やればいいんだよ」