「佐藤くんって、優しいね。」


「はっ?」


急に不機嫌になった。


「だって、いつもね。紘は私を好きだから、安心していいよって。」


「香苗にそんな話してんの?てか、秋ともあんましゃべんないで。香苗が男と話してるの想像するだけでイヤだ。」


「佐藤くんは、いいでしょ?バイトなんだから。それに佐藤くんがいなかったら、私とっくに紘と別れてたよ?」


「ありえないから。」


紘は、私をきつくきつく抱きしめた。