「俺、香苗に一目惚れだった。飲み会する前から知ってたんだ。あの日、チャンスだと思ったけど。話しかけれなくて....だから、告白してくれた日は舞い上がってて....俺、変なこと言った?」


「うんって言った後、バイトだからって....」


「マジ、俺最悪。」


紘は、しゃがみ込んで頭をくしゃくしゃにしていた。


なんか、信じらんない。


信じられないことだらけすぎて、わけわかんないし。


「じゃあさ。デートの時に機嫌が悪いの?」


これも、疑問だった。


「それは.....香苗がかわいいから周りの男どもに見られるのがイヤだっただけだ。」


「私、紘が思うほどモテないから....てか、紘のがモテるでしょ?」


「俺にしたら、香苗しかかわいくないわけ。」


紘は、立ち上がって私を抱きしめた。


なんか....


初めて会話らしい会話かも。


「嬉しい。」


私も紘の背中に腕をまわした。


「香苗、好きだから離れないで。俺、香苗いなかったら、ダメになるから.....」


本当だったんだ。