夏休みも終わりに近づき
いよいよ、約束していた
旅行の日になった。
今年の夏、最後の思い出作りに湘南の海へ出掛ける。
ヒロくんは、何故か
花火を持ってきた。
私達・みんなは
夜までここに居ないのに
……………って思った。
私は、海へ着くとどうしても一人になりたくて、みんなの側から離れた。
波の音だけが聞こえ、穏やかな気分になる。
この時は、嫌なこと全て忘れる事が出来ていた。
私が居ない事で大騒ぎしていたらしく突然、電話が鳴った。
相手は夏希だった。
「沙保、どこにいるの。
心配するじゃない。
バーベキュー始めるから早く戻って来なよ」
「分かった。
ちょっと一人になりたかっただけだから」
「それならいいけど。
早く戻って来なよ」

