午前10時。



卒業式が始まった。



校長先生の挨拶。



来賓の挨拶。



在校生の送辞。



卒業生の答辞。



と次々に式は進んでいき



そして、校歌・仰げば尊しを歌い式は終了。



色々な思いが溢れ、涙でほとんど歌うことが出来なかった。



司会者の
『卒業生退場』
という言葉で、私達は体育館を後にし教室へ戻った。


「私、泣くつもりはなかったけどやっぱり涙出ちゃった」



「沙保も、私もだよ。夏希はまだ涙止まんないね」



「うん、だって………」



「分かってる。私もレイナちゃんも、夏希と同じ気持ちだからさ」



レイナちゃんも頷いた。