志望校に推薦してもらえる事になり、
パパもママも安堵した。
私も胸を撫でおろした。
「沙保、良かったね。
推薦で合格出来るように
頑張ってね」
「うん、ありがとうママ」
「彼氏と高校離れるの、本当は淋しいんじゃないか」
パパの言葉は、確かに
本心だった。
「そうだけど、ヒロはプロのサッカー選手になりたいって夢がある。
私だってピアニストになりたい夢があるんだから
これでいいの」
好きな人のそばにいる事
だけが、全てじゃない。
たとえ、離れていても、
心が通じ合っていれば大
丈夫だと私は思っている。

