沙保からの電話……。
嬉しかったけど。
俺は、みんなから悩み
なんかないって
思われている。
俺自身が、わざとそう
見せているだけ
なんだけどさ。
そんな時、家のインターホンがなった。
沙保が、息を切らして
立っていた。
「電話で元気なかったけど何かあったの」
「実は、親が離婚するかもしれないんだ。
最近喧嘩ばかりで」
嘘……………。
陸の両親は
あんなに仲良かったのに………………………。
「陸は、ちゃんと
自分の気持ちを言うべきだと思うよ。
だって陸にとって
たった三人の家族でしょ」
「うん、分かるけど………なかなか言えなくて」

