そこへ、ヒロが通りかかった。
「君達、何してるの?」
ヒロの顔を見た五人は、
足早に去って行った。
「沙保、大丈夫」
「うん、あの人達陸の事好きみたいで、
陸と幼馴染みの
私の事が気にいらないみたいなの。
それで八つ当たりしてきたのよ。
こんな事で気が済むならどうぞって思って…………」
「そうだったんだ。
さっきの人達は、
沙保と陸が
幼馴染みだって事
信じてくれなかったの?」
「うん、二股かけてるって思ってるみたい」
「気にしない方が良いよ」
ヒロの言葉に、頷いた。
嫌がらせがあったのは、
後にも先にも
この一回きりだった。

