「沙保、おかえり。お腹すいたから何か作ってよ」



学校から帰って来たばかりの、私に開口一番にそう言って来たのは、長女の美沙ちゃんだった。


「もう〜、それが一番に言う言葉じゃないじゃん」



「だって〜沙保が一番料理上手だし、器用なんだし。
簡単な物でいいから。
お願いね」


「誉められてるのか、けなされてるか分からない」



「誉めてんだよ」



そうは、聞こえない気がするんだけど…………。



それは言わずに置こう。



口では、絶対に負けるから