私は何かしらにつけて、心配の種を自ら増やす面倒な性質だと思う。



それなのに意地っ張りだから、1人で抱えて溜め込むという厄介なモノで。



だけれどソレが、私なりに貴方の後ろをついて行く処世術だった。




拓海に頼って、甘えて、ずっと一緒にいたい・・・



そうして駄々を捏ねた昔を思えば、少しは成長したと思い込んで…。



いつしか貴方の優しさに縋りついて、見失っていたとも気づかぬまま。




その不穏の種を取り去れぬほど、土壌で育成させていたとも知らずに・・・







「らんー、ねぇってば!」


パンと柏手をひとつ打つ音が、静かなカフェに響き渡った。



「えっ、な、なに?」


乾いた音と大きな声に驚いて、バチッと目を見開いて正面を見た私。




「私の話、聞いてなかったでしょ!?

なんか会った時から、ずっとボーっとしてるし」


「ご、ごめん・・・」


するとジッと横目で捉えられて、しおらしく肩を竦めて謝ったけれど。




「もう慣れっこよ」


「…それはゴメンね」


フフッと笑われて、何となく悔しいのは気のせいではナイと思う。