「はぁ・・・」
見慣れた部屋に、見慣れた景色に目をやって、溜め息をついた。
まだ日の沈む気配も無い、誰一人としてイナイ閑散とした状況で。
本来なら、不出来ながらも仕事をこなしていた時間帯だからかな…?
たった数時間…、たった半日だというのに、会いたくて堪らないの。
理沙子さんの話を聞いて、なおさら愛おしい貴方に会いたい・・・
ガチャッ――
クローゼットから、徐(おもむろ)に洋服を取り出すと。
すっかり習慣化しているのか、ササッと身支度を整えられてしまう。
バタンッ――
最後にバックを掴んで、そのまま実家から出て来てしまった。
『明日は一日、会社で仕事だから。
何かあれば連絡してくれよ?』
そう言われていたから、今日だけは感情のままに行動したいの。
向かう先はもちろん…、大切な人のいるアノ場所だ――

