続きは、社長室で。2



心がギュッと締めつけられる度に、貴方の胸に縋りつきたくて仕方がナイ。




ただ甘えたりだとか、優しくして欲しいとか・・・



そんな生易しい表現ではなくて、心から拓海を欲していたの…。





東条家のガレージにBMWが到着して、奥様と私は庭園へと足を運んだ。



夏日に照らされて、向日葵の花が一段と元気に咲き誇っていて。



こうして眺める度にパワーチャージしてくれる、私の大切な場所だ…。





「蘭ちゃん、明日からは本格的に色々と教えるから…。

今日は疲れたでしょうし、ゆっくり休んでね」


「いえ…、今日はありがとうございました。

お話をお伺い出来て、とても嬉しかったです…。

明日から、どうぞ宜しくお願い致します」


どこまでも優しい笑顔に笑い返すと、深々と一礼をする私。




自身の浅薄さには、拓海を愛していると自覚したトキに気づかされて。



それから私は何度思い知って、後悔を募らせたのか分からない。




だけれどこの不毛な想いも、周りの方のお陰で実らせて貰えたから…。




もう逃げたりしない…、泣いている毎日とはサヨナラしたいの。