ホワイトムスクの香りに駆り立てられて、夢中で、必死すぎて…。


求められれば求められるほど、私も必死でその波に乗ろうとした。




「ッ…、んんっ・・・」


妖しい水音が響く中で時折漏れゆく、淫靡なほどに切ない声。


執拗なほど絡み合う舌は、さらなる熱を帯びて深さを増していく。




「ふっ…、んっ――」


さすがに苦しくなってきて、拓海の胸を叩き合図を出したけれど。


ソレが煽り立ててしまったのか、深みに嵌ってしまうように絡みついて。




「っ…――」


このままキスだけで、なけなしの平常心すら飛んでいく気がした・・・









「・・・あ、れ…?」

ゆっくり眼を開くと、いつの間にか眼前は真っ白な天井を捉えている。



「あ、気がついた?

キスしてたら気失ったんだよ、蘭」


「っ・・・」


虚ろなままの私を、ベッドの淵に腰を下ろしている彼はフッと一笑して。


今の言葉と口内に残る余韻とが混ざり合い、さらに新たな熱を生み出す。




細胞すべてが拓海以外ではダメだと、知らしめるように・・・