バタンッ――

ドアが音を立てて閉まったあと、すぐにシャワールームへ入室した。




今までは湯気や雫が充満していたのに、今日はソノ痕跡が見当たらナイ。



どうやら拓海は、随分前にココを使って仕事をしていたよう…。




「はぁ・・・」


流れ始めたシャワーに身を任せて、高ぶる鼓動を抑えようと溜め息をつく。




小さな頃の拓海は優しさの中に、どこか意地悪さを含んでいたけれど。



昔と比較出来ないほどグレードアップした今は、ソレが増していて。




これからもきっと、ドキドキさせられるだけ・・・





「っ・・・」


そんな鏡面に映る自らの姿は、行為の痕が深く刻まれていて驚いた。



紅く色づけられた“証”が、身体の中から熱を呼び覚ましていくのに…。




バタンッ――

映し出される姿に耐え切れず、シャワールームを足早に退出して来た私。




「・・・え?」


そうしてバスローブに身を包むと、視界はあるモノを一点に捉えた。




さっきまでは、無かったハズよね・・・?