気だるい身体をシーツで隠し、熱の引かない身体を起こそうとすれば。



拓海の手が背中へと瞬時に回り、すかさずエスコートをされた。





甘い余韻、強引に知らしめてくれたキモチ、貴方への愛証・・・



それらに包まれて、贅沢な眠りの世界から抜け出せなかったらしい。




「ごめんなさい…」


勝手に逃げ出しておきながら、挙句に仕事放棄なんて最悪だ…。



項垂れつつ視線を落として、ポツリと今さらながらの謝罪をすれば。




「謝らなくて良いよ。

どうやら“罰”が効いたみたいだし?」


「っ・・・」


私の心情を悟っているのか、ワザと茶化して窘めてくれた。



昔のようなやり取りに、それだけでジンワリと心が温まる。




アノ“罰”なら、また受けたいと思ったのはナイショね…。





「蘭、シャワー浴びるだろ?

俺は仕事してるし、慌てなくていいから」


「あ、ありがとう」



「このまま運ぼうか…?」


「なっ…、やだ――!」


妖しく一笑してシーツに手を掛け、力強い腕で身体を持ち上げられた。