泣いてしまった私を笑いつつも、再び胸の中へと収めてくれて。
温かくて、広くて、厚い胸板から聞こえる鼓動をダイレクトに感じた。
トクン、トクンと共鳴する心音が嬉しくて、さらに密着度が増していく。
そうして鼻腔を掠める香りが心地良くて、心までもがスッと安らぐの…。
私だけのモノだと…、ずっと拓海を占領したくなるほどに・・・
「ったく…、朝から…」
「え…ンッ、ンンッ――」
ポツリと吐き出された言葉を尋ねる前に、突如塞がれてしまう唇。
「っふ、ンンッ・・・」
角度を変えつつ、徐々に深まるキスの往来と瑞々しいリップ音。
拓海のキスが降り注ぐタイミングは、いつも突然のコトだけれど。
間抜けな事に開口していたせいで、すぐに舌を絡められてしまった。
「ァッ・・・」
絡み合う舌から伝っていく透明な液が、さらに私の鼓動を早くする。
舐めるように優しく、でも吸い取られるほどに深く口づけをされて。
それだけでもう何も考えられないほど、拓海に堕ちてしまう・・・

