ううん…、大丈夫に決まってるじゃない。



拓海が縋れる場所を提供してくれるなら、身を預けなきゃダメ。



これからはもう、独りじゃナイよね・・・?





「拓海…?」


「なに・・・」


シーツごと包められた私は、ヒョコッと顔を上げて彼の顔を窺った。



朝が苦手な貴方らしい気だるい声に、嬉しさが込み上げるの。



昔と変わらないトコロが、此処にもあると・・・




「ありがとうって、伝えてなかったから…。

私なんかを選んでくれて、本当にありがとう・・・」


「蘭・・・」


眼を見開かせた拓海に、今度は心からの笑みを零せていた。




昨日はそれ所ではなくて、この言葉を伝えられなかったけれど…。



拓海は両家にある柵を越えてまで、私なんかを選んでくれた。




ハジメテの時に交わした約束を、こうして叶えてくれたうえに。



昨日の夜の行為も、幸せすぎるモノだったから・・・




いつまでも不安に怯えて、立ち止まっていてはダメよね?




貴方が創り出してくれた道を、並んで歩いて行きたい――