もう片方の手は私を抱き寄せたまま、離そうとはしなくて。




「っ・・・」


シーツ越しに密着した身体は、さらに鼓動の高ぶりを早まらせる。




このまま甘えてみたり、寄り添っても良いのかな…。


そんな疑問がグルグルと渦を巻いて、戸惑ってしまう。




今までずっと…、抱かれたあとは置き去りだったから――




これから本当に・・・、貴方の傍にいて良いの?



ずっと、ずっと、離れるコトはナイよね――?






「蘭、どうした?」


「う、ううん…」


思わず震えそうになる声を抑えて、様子を窺う彼にニコリと笑った。



ギュッ――

バレたくないとの思いから、その胸へと縋りついてしまう。



「寒いのか?」


「うん…」

コクンと頷くと、さらに強く漂うホワイトムスクの香り。



この重みも、昨夜の余韻も、身体に残ったままだというのに。




あまりに幸せすぎて、イヤな不安を感じたとは言えナイ・・・