拓海の発する言葉が、また幸せへと繋がっていく・・・



高鳴る鼓動は、貴方への愛情が増えている証なの・・・





暫くすると、ようやく私の両肩を持って引き離してくれた。



だけれど、向かいで構えている人と視線が合致したせいで。



気恥ずかしさというか、居た堪れなさから俯いてしまう…。





グイッ――

すると隣からスッと手が伸びて来て、肩を引き寄せられて。



そんな私は必然と、肩を支えている拓海を見上げてしまう。





見下げているブラウンの瞳と交わったトキ、ソレは紡がれた。






「蘭…、今日からコイツが正式な秘書になる」


「え・・・」



「正直に言えば…、秘書業務は裏でコイツがやっていた。

結婚の件の為に、オマエを表立った秘書に置いていただけで。

許しを得た時点で、仕事を辞めて貰う手筈だったよ…」


「っ・・・」


ポーカーフェイスを崩すコトなく、端的に業務報告をされては。




突然すぎる言葉に声を失うのも、無理はナイでしょう…?



内心では、ズキンと大きな波打ち立つ音が木霊していた。