漂うホワイトムスクの香りにも惑わされて、眩暈を起こしそう…。



「ふっ…、ンンッ・・・」


酩酊状態にも似た私に、未だ拓海からの容赦無いキスが降り注ぐ。




もう限界ギリギリだと、抗うコトが出来ない訳ではナイのに・・・




応えたいと思っているのは、私が彼を愛しているがゆえの衝動だから。



着たばかりのシワひとつ無いスーツに、ギュッとしがみついてしまう…。





「ンッ・・・」


意識が吹っ飛びそうになる寸前で、ようやくスッと離れされた唇。



ツーと糸を引く透明な液は、それまでの激しさを名残惜しむかのようで。



瞬時に体内スイッチオフになった私を、サッと受け止めてくれた。





「っ…、・・・っ…」


忙しない呼吸を整えようと彼の胸に凭れて、この身を預けているけれど。




虚ろな瞳が捉えたモノは、ベージュとブラウンのストライプネクタイ。



清涼さを引き立たせる、軽やかなライトグレーのストライプスーツ。



シンプルながら洗練された印象を醸し出せるのは、オーダーメイドならでは。




そんな拓海のすべてが、私を惑わせて止まないエッセンスなの・・・