その表情は私からしても、明らかに動揺が見て取れる表情に変化していて。



立川元部長が持っていた書類には、何が記載されているのか…――




「ふ、ざけるなっ――!

何なんだ、この、追加融資の取り消し通知って…!」


すると、バシッとテーブル上へと叩きつけるように書類を投げつけた後藤社長。




「言葉の通りですよ」


「なん、だと――?」


2人の険悪さを遮るように淡々と発する拓海を、今度は鋭く睨みつけている。




「飲み会で蘭と会った彼は、貴方の言いなりにはならずに内に秘めた。

・・・が、東条グループの人間には報告をしてくれたという訳だ。

そこにいる彼らを通じて、私の方へとね・・・」


それでも飄々として答える愛おしいヒトは、3人を一瞥して説明を重ねていく。




「・・・はい、仰る…」


「いえ…私が、我慢ならなかったんです…」



え・・・?


割り込んできた高い声色に、思わずそちらへと視線を向けてしまった私。




「佳奈子、オマエ…」


「いいの、もう…」


立川元部長の言葉を封じると、沈黙を続けていた佳奈子さんが口を開いた。