どうか無事でいて欲しい…、それだけが私の一生を賭けた願いです。



拓海が助かるのなら、私はどんな仏罰を与えて頂いても構いません。




貴方が生きていれば、他にはもう何もイラナイから・・・





「良かったわ…、目が覚めたのね?」


「・・・え…?」


途切れていた意識が、柔らかな声によってパズルのように覚醒していく…。



「蘭ちゃん、あれから眠っていたのよ」


ホッとした表情を浮かべて、私の乱れた前髪を整えてくれるのは理沙子さん。




「っ…、拓海は!?」


「ら、蘭ちゃん、落ち着いて!

残念ながら、まだ動きはないわ…」


勢い良く起き上がった身体は、彼女の言葉を受けて勢いを急速に失った。




「っ、拓海に、もしもの事があれば…っ、私の、せいです…!

ごめんなさい…、ごめん、なさ・・・」


祈るコトしか出来ないクセに、現実から逃げて眠っていた自分に酷く苛ついて。



どうするコトも出来ない今に、行き場のナイ苦しみが増して涙が流れていく…。



拓海の感触などナイと解っていても、微かな繋がりを求めてドレスを握り締めていた。




迷子になって彷徨っていても、いつでも私を見つけてくれた拓海のように。



どうして愛しい貴方の息づく場所を、探し出せないのだろう・・・