――コツン・・・



私はソレの前に立ち止まり、そびえ立つソレを見上げた


つっ、と背中を冷や汗が流れた



あぁ。

とうとう来てしまった。



ソレ、もとい、東雲コーポレーション本社に――




事の発端は、数時間前―――





――『・・・っあ、あの、日野千秋です。


先日のお返事、しようと思って・・・』



「あぁ。すみません!


・・・決まったんですね?」



『は、はい・・・。


あの、えと・・・っ』



緊張で上ずる声と、しどろもどろな口調


噛みまくってて、恥ずかしくなり、余計にたどたどしくなってしまう



『あの・・・っ


私・・・!』



お受けいたしますっ!!!


その言葉は、彼の一言により打ち消された





「すみませんが、お返事は本社にてお聞きしてもよろしいですか?」





・・・ん?


ほんしゃ?


ホンシャ?






『本社ぁぁあああ!!!?』