椅子の軋む音だけが校長室に響く。


「…分かりました。今回の件は君の言い分を信じましょう。榊原先生も、今後このようなことは無いように気をつけて下さいね。」


「…はい」


「私はこれで失礼します。」


逃げるように校長室を出てから、頬に何かが伝った。


これでいいんだ。


だって私は勇気くんのこと好きだから。


「清水さん」


「……高須くん」


「もしかして、校長に呼び出された?」


いつもと変わらない笑顔が、正直むかついてしょうがない。


「話す気ないから」


「どう?俺にする気になった?」


「無いって言ってんじゃん!もう私に話しかけないで!さよーなら!」


高須くんにそう言い捨てて私は教室に向かう。


が、今さら授業を受ける気にもなれず…