私は一呼吸置いてから口を開いた。
「―――…さよなら」
「……またな」
勇気くんは私の横をすっと通って行った。
何、言ってんだろ。
さすがに今まで通りなんて、もう無理だよね…?
「あ〜…」
やっちゃった、後先考えないで自分がやりたいことやるし言う自由人の悪いとこ。
……切り替えなきゃ。
明日は高須くんとデートなんだから。
「泣くな、私」
私は下唇を思い切り噛み締めた。
―――――――――
「あぁ…」
次の日、鏡を見れば酷い顔した私。
「口噛みすぎで切れてるし、目死んでる」
泣くのは、我慢したんだけどなぁ…
準備、するか…



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