「恋人みたいやね」


「ばーか」


「清水さんの手あったかい」


「こども体温で悪かったね」


「可愛くないな〜」


「うるさい」


照れ隠しって、知ってるくせにタチ悪い。


道行く人が勇気くん見てるのに、全然気がついてないんだから。


「もうすぐクリスマスやね」


「あぁ、もうそんな時期?」


「11月やで、もう。今年はどうしよっかな〜」


「パーティー、する?」


私がそう言うと勇気くんはう〜んと唸り始めた。


「保健室で…まぁ、えぇかっ!やろやろ!」


保険医のくせにいいんだろうか…まったく、ゆるい…


「でもうちと勇気くんくらいしか居ないよ〜」


「いつも2人やん」


「そりゃ、気合うの私たちだけなんでしょ?」


私がにやりと笑うと、勇気くんは鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてはにかむ。


あ、くそっ、かわいい。


「生意気やで清水さん」


「可愛くないって?」


「いや、それが可愛らしいのかもしらんね」


勇気くんの言葉に今度は私が思わずはにかむ。


「なんか今日恥ずかしい!」


「ふはっ、ぼくもやで」