佐助は続けて言った。

「お前、明らかに女子に興味なさげだから、キャーキャー言われたりしてないけど、水面下ではすげーぞー。」

ウヒヒといやらしく笑うと、佐助は俺と肩を組んだ。

「俺とお前は最強コンビなワケだ。サッカーでも、女方面でも。お前さえその気になればな」

俺は佐助の手を払い、

「変な笑い方するなよ。でも、お前の言うとおりなら、あのスーパーの店員は、うちの学校の女子ってことだよな。」

「そうなるな。そしてたぶん、毎日お前を見ている女子の中の一人だよ。昼飯のメニューを知ってるってことは、わりと近くにいるのかもな。同じクラスかも……。」

俺はクラスの女子の顔を思い出そうとした。

そして、誰の顔も思い出せなかった。

ただ思い出したのは、醤油顔のあいつ。

でもあいつは同じクラスじゃないし、眼鏡かけてないし、髪も縛ってなかった。


「よし!クラスの女子の顔を見てみよう。」

「そこから?まじ、お前……はぁ~。なんにしろ、お前が女に興味持ったなんて、初めてのことだな。」

「女に興味って……変な言い方するなよ。知りたいだけだよ。誰なのか。」