それは、黒い髪を後ろで一本に三つ編みした女と、ポニーテールにした女の姿だった。
確かに会っている。眼鏡は同じだ。そして、声をかけてきたセリフも…

『それはいまいちだったよ。』

そういえば、話もしたような…

「髪形が違うからわからなかった。ごめん」

素直に俺は謝った。でも、俺の名前を知っているスーパー店員?
結局誰だ?

「わかってて話してるのかと思ってたよ。じゃあ、わたしかなり怪しい人だったね。」

彼女はおかしそうに笑った。そして、気を取り直したように持っていたカップ麺を俺のかごに入れ、

「先週お勧めした醤油ラーメン、おいしかったでしょ?毎日食べてたじゃない?これもおいしいから、買って行って。」

え?

「でも、カップ麺ばっかりじゃ飽きちゃうんじゃない?」

え?