とりあえず、醤油ラーメンか?
お!新商品……うまいかなぁ…

そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。

「それはいまいちだったよ。」

振り返ると、この店のエプロンをつけた、同い年くらいの女が立っていた。
真っ黒い髪を左右で三つ編みにしていて、赤いフレームの眼鏡をかけている。

「こっちがお勧め。里中君なら好きなタイプだと思うよ。」

彼女はそう言って、隣にあったカップ麺を俺に差し出した。
こいつ、俺のこと知ってる?

「誰?」

俺は素直に彼女に尋ねた。
彼女は驚いた顔をし、寂しそうな、つらそうな、なんだか複雑な顔をした。

「……先週も、先々週も、こうしてお話したんだけど?」

彼女にそう言われて、俺は考え込んだ。

そして…