『…うん、ごめんね。 ………一緒に帰りたい。』 手をギュッと握ってくる山崎が愛しかった。 「はいはい、分かった。 お前そんな甘えただったっけ?」 頬を優しく包んで上を向かせると、山崎はふふ、と笑った。 『今までずっと一緒に帰ってたから、寂しくなったみたい。 ダメだな~あたし。 昔はあんなに冷めてたのにね。』 「それでも山崎は山崎だからな。 やっぱ他の女とはちげぇよ。」 チュ、とキスを落として手を繋いだまま俺達は会社を後にした。