苦笑いをした仮社長に俺は真顔で言った。 「それと、俺結婚するから。」 「…………え!? 結婚?誰と!!」 「この会社の社員だ。」 「えぇ!?」 「結婚式をする時はお前も呼ぶからスピーチはよろしくな。」 肩をポンポン、と叩くと、仮社長は早口で言った。 「でも私は社長の彼女は知らないですし、スピーチなんてした事もないので…」 「ん?なんか言ったか?」 わざと聞こえないふりをしてにっこり笑ってみせると、仮社長は固まったまま小さく、はい…と呟いた。