『ごめん、お先。』 立ち上がって、後輩から離れた。 早足でトイレへ向かっていると、下を向いていたため誰かとぶつかった。 『…っごめんなさ……』 顔を上げると秋元さんが驚いた顔であたしを見ていた。 「山崎…。 …………ちょっと来い。」 グイッと手を引っ張られ、普段誰も使わない非常時の階段に連れて行かれた。 「…何泣きそうな顔してんだ。」 クルリとあたしの方を向いて心配そうにあたしの顔を優しく上に上げた。