「・・・え、
明日香、泣いて・・!??」
オレは制服の湿りに気付いて慌てた。
うわぁ、明日香泣いてる・・・!!!
巻き込んだのオレだけどどうしよ・・っ
「━・・!・・・静かに・・」
「!!」
ハッとして、無意識に明日香を
キツく抱きしめた。
後ろの校舎の中から先輩の声がする。
ブツブツとオレへの文句を言いながら、
オレ達を探しているようだ。
「・・・ゴメン、巻き込んで・・。
大丈夫だから・・・」
抱きしめている明日香の耳元でつぶやく。
「・・・・っ!」
その瞬間、明日香の体が固まるのを感じた。
・・え?なんで今かたま・・・・・・
・・・・・・・・・っ!!!!!!!!
顔から煙がでるかと思った。
オレは今、状況の重大さに気付いた。
お・・・・オレ、ちゃっかり
明日香抱きしめてるじゃん!!!
鼓動が秒刻みぐらい速まる。
・・・・やべ・・・。
明日香に心臓の音聞こえるかも・・・。
先輩たちは諦めたようで、声が遠のく。
少しホッとして、明日香を見つめた。
その顔はオレと同じくらい赤くて、
・・・かわいくて。
鼓動が余計高くなった。

