君のとなり。


「っ離して下さい!!」


涙目ながらも男たちをニラみ、
バタバタと暴れる明日香に、

「ちょっと静かにしろって」

「っ!?」


顔に腕を回され、口を塞がれた。
そして、その男の胸に体が触れる。


・・・っ、キツイ香水の臭い・・。
クラクラして、気持ち悪い・・・っ!


「君には恨みないけど、祐人には
 あんだよね~。だからさ・・・・」

「・・・っ」


明日香の頬を、その男の手がなぞった。


「君が汚されたって知った時の、
 アイツの顔が見たいんだよねぇ・・。
 祐人にとって大切な子みたいだし?」


耳元で囁かれた声に、全身が強張った。


・・・・ウソ。じゃあ、私は今から・・!?


じんわりと、視界が滲んだ。




         やだ。




力を入れても、ビクともしない腕。
上級生達は私を強引に引っ張って歩く。



 やだ、やだやだぁ・・・・・っ!!



名前を呼ばないでよ。触らないでよ・・っ。





         ‘明日香”




━・・・祐人・・・・・っ!!




ここにタイミング良く祐人が来るわけ、ない。


でも。声にならない声で叫んでしまった。



世の中そんなに、上手くできてないのにね