「・・・・・・・・・・」
祐人はイスに座ったまま、
少し焦りを感じていた。
・・・クソ、なんで今日に限って
こんな長引くかな・・・・っ
委員会は活気があり、まだ終わる
様子を見せない。
チラチラと時計を見てしまう。
5時ちょっと過ぎ・・・。
窓から入ってくる、5月の生暖かい風が、
余計に気持ちを焦らせた。
・・・明日香・・・。
祐人は委員会が早く終わる事を願った。
「ねぇ、アンタが田中明日香??」
聞き覚えのない声に引き止められ、
明日香は振り向いた。
「・・何・・ですか・・」
上級生が、4人。
制服を着崩したりピアスをしていたり、
関わりたくないタイプの人達だ・・・。
鼓動がドクッと高鳴った。
鞄を強く握る。
「やっぱりかぁ。カワイイじゃん?」
ニヤニヤと笑うその顔に、
明日香の不安は高まった。
・・・なんか、ヤだ・・・。
「っ、用事があるんで・・・!!」
目を合わせないで走り出す明日香の手を、
「━・・ぃ・・っ!?」
強い力で握られ、引き止められた。
「そんな逃げないでさぁ、俺らにつきあってよ」
「や・・っ」
振りほどけない・・・っ!!嫌・・・
・・・祐人・・・!!

