明日香はその手紙をじっと見つめて、
紙の上にペンを走らせた。
・・こんだけやっても、反応ナシ、か・・
どうやったら、こっち見るんだ・・・?
次は何しよ・・・・・
ほおづえをついて考える祐人の机に、
ぽと・・・っ
手紙がのった。
・・・・・・・・・・・・え?
何秒か固まって、オレはハッとした。
これ・・っ!
手紙をつかんでバッと明日香を見ると、
明日香は口の前に人差し指を立てて、
‘しー”
ってつぶやいた。
オレはバカみたいにコクコク頷いて、
急いで手紙をひらいた。
〈Dear 祐人
新手のイヤガラセかと思ったよ?
ムシってゆうか・・・、ゴメンね。
手紙書いてくれたのは嬉しかったよ。
・・けど量多いっ!!
別に、怒ってることもなくもない。
さっきの女子のはなんかイラっとしただけ。
それと、私も聞きたい事がある。
放課後、裏庭で待ってる。
From 明日香〉
・・・・・・・・・・!!!!!!!
コレを見終わった時のオレの顔は、
佐藤なんかに見られたら死にたくなる程
赤くて、変な顔をしてたと思う。
だって、明日香から返事がきて。
‘待ってる”
・・って。放課後も、会えるって・・。
昼間の態度からすれば、
オレには奇跡みたいに感じたんだ。

