「サララさんはダンサーのリーダーで、黒川さんのライブはずっと付いてるんだ」

「へえ」

毎回女性ダンサーがバックについているけど、全然気に留めてなかったなあ・・・。


「で、あたしはサララさんのダンススクールに通ってて、今回ステージに立たせてもらったんだ」

「ふうん」

二人でペットボトルの入ったビニール袋を両手に抱えて、控え室までの廊下を歩く。


「愛名さんはもう何年くらいヘアメイクの仕事してるの?」

「えっつ・・・。それは。まだ半年。アシスタントなの」

「じゃあ、あたしと一緒だね。新人さん同士」

そう言ってミーヤさんが微笑む。
わたしもつられて微笑む。


「ドリンクもってきましたあ」

ミーヤさんの明るい声、見習わなきゃ。


やっぱり、独り立ちするっていうことは、すごいことなんだ。

それなりの人だけに許されたことなんだ。


そう思った。