・・・あと5分だ。


わたしがメイクを仕上げた時には、残り時間はあと5分。

わたしは脇の下にじとーっと汗をかくのを覚えた。



コームの先でしっかりとブロッキング(髪の毛を分けること)し、一束ずつクリップで留める。

そして、手にワックスを取ると、先輩の髪になじませ、超ハイスピードで指を動かし、編みこみを4ブロック完成させた。


「そこまで」
藤ヶ丘さんの声が響く。


わたしは声がかかっても、みつあみエクステをまだつけ終わってなく、ちょっと時間をオーバーして、エクステを付け終えた。



完璧・・・!

自分で言うのもなんだけど、5分でよくできたもんだ。


モデルになった先輩の頭をじっと眺めながら、わたしはほっと胸をなでおろした。