モデルさんの頭をブロッキングした先輩にカーラーを差し出すと、

「愛名も巻いて」

と突然言われた。


おっ、初カーラー巻きです。


わたしは元気よく、

「はい」

と返事をすると、先輩の反対側に立ち、ブロッキングされた髪をスライスした。


「厚すぎ」

すかさず先輩の声が飛ぶ。

「・・・はい」


先輩は自分のカーラー巻きをしながら、わたしが手に取った毛量を見ていたのだ。

さすが・・・するどい。


感心している暇もなく、どんどんとモデルさんの頭が大仏のようにカーラーで出来上がっていく。