「わかった。ミーヤによろしく。また、こっち来たら、付き合うから」

「うん」


すぐに夜道に消えたフクちゃんの背中。


一歩一歩、前に歩いているんだよね。


わたしも歩きだそう。


光に少しでも近づけるように。




時計の秒針の音さえも聞こえそうな静かな夜。


新宿という都会の真ん中にいるはずなのに、とても静かな夜だった。